自分を救う方法
自分を救えるのは自分だけとはよく聞きますが、私は他人に救って貰った事のほうが多いです。
私の理想とかけ離れた家族環境の中で育ったので、自分を救い出す事に大変苦労をしました。
私は子供の頃から幸せとは何かをよく考えながら生きてきました。
私は長い間貧乏な暮らしをしていて、みんなが買っているようなオシャレな洋服や化粧品やブランド品なども私は買えなかったので、それに強く憧れを持つようになりました。
子供の頃は、それらを買うことができる人たちが本当に幸せな人間なんだと思いながら生きていました。
子供の頃からそのような憧れを持ちつつ、
「私が今欲しいものは必ず大人になってから手に入れる事ができる!そういう未来の自分がはっきりと見えている。全て叶っているのだ!」
と、根拠はなくてもそう信じていました。完全な妄想癖ですね!
子供の頃、物ばかりに憧れを持ってしまうのも仕方がなかったのだと思います。
家族、特に親が私の心と向き合わず、放置していたからですね。
家族には一切興味が持てませんでした。
そして、年を重ねるにつれ、私が好きになる人は決まって浮気者や暴力的なダメ人間ばかりだということにも気づきました。
ダメ人間にドキドキして好きになってしまう遺伝子が、生まれながらにして私の体に組み込まれているのか?
なんて思いました。
なので、結婚するならドキドキしない人としたほうが、私は幸せになれるような気がしました。
その考えをもとに、私はドキドキしない相手と結婚しました。
ドキドキはしないけど、平常心の範囲内で愛せる相手です。
夫に家を買ってもらって、私が働かなくても夫のお給料だけで食べていけて、給料日前に貯金が底をつくような生活はせずに暮らすことができています。
ブランド品も沢山買ってもらい、化粧品も好きな物を買える生活です。
なので、子供の頃の私の憧れは予想通り全て叶いました。
私の子供の頃の心を救ってくれて、願いを叶えてくれたのは、夫ですね。
安心して住める家がほしい。と願った子供の頃。
あの日、キラキラとしたマンションや一軒家が並ぶ街並みを歩きながら、
「どんな人が住んでいるのだろう?私もこんな場所にいつか住むんだ!」
と考えていました。
しかし、私は頭も悪く、可愛くもないので、自分の力ではどう頑張ってもその夢を叶える事ができない。
という事も分かっていました。
だから、結局見返りを求めない他人に頼る方法でしか子供の頃の夢を叶えることができないだろうと考えました。
他人の力によって私の夢が全部実現したのです。
ここで、私がこの現実に慣れきってしまい、夫に横柄な態度をとったり、夫を軽蔑したり、はたまた、隠れて無駄遣いをしたりなんてしてると、神様はきっと怒って私に罰を与える気がします。
もし、夫を金づるだとしか思えなかったら、私は何らかの事件の犯人になっていただろうと思います。
時々ありますよね。
女の人が、お金目的に結婚を繰り返して、男の人に保険金をかけて、消す。
みたいな事件。
一歩間違えたら、私もそうなっていたかもしれません。
そうならなかったのは、そうならないためにはどうするべきか?を常に考えていたからかもしれません。
自分に限っては大丈夫!
みたいな人が他人のお金に救って貰った場合、そういう犯罪をしてしまう気がしています。
犯人たちを馬鹿にしている人たちこそ、案外恐ろしかったりする気がします。
本当に私自身の考えが正しいのか?と疑ったり、この現実や夫に毎日感謝をしながら生きていこう!当たり前の現実なんてないんだ。
と心に決めている事で、こうやって今平穏な暮らしができているのだと思います。
そして、夫に何かやってもらう、だけでなく、私にできることは必ずやる。
それも私の中で決めていることです。
ただ・・・。
ブランド品や欲しいものを手に入れた瞬間、それらがくすんで見える事に気づきました。
あれだけ憧れていたはずのブランド品だったのに。
夢が叶った事にはもちろん感謝ですが、欲しいものを手に入れる満足感は、案外一瞬で消えるんだなと愕然としました。
本当の幸せとは、物を買うことではないんだなと、最近ようやく気づく事ができました。
夫は出かけているので、私は今一人きりです。
あの頃の私が憧れた生活が、今目の前に広がっています。
静かなリビングを眺めながら、一人でお昼ご飯をいただこうとしている光景。
どこを切り取っても、あの頃の私が羨ましがる生活を、今の私が送っているのです。
なのに、今の私は目の前が曇って見えます。
憧れのリビングが目の前に広がっているというのに。
その理由はひとつではないかもしれませんが。
他人に救ってもらうだけでなく、ある程度救って貰ったら、それをバネにして自分で立ち上がらなくては!
と、思えるようになってきました。
そうすれば、目の前のくすんだ世界が輝いてくれる気がしています。
今もし一人でもがいて苦しい人がいたら、他人に頼ることもあって良いと思います。
自分一人で何でも背負おうとする人が、結局辛い目にあったりしています。
救ってくれる他人って必ずどこかにいます。
沈まないようにもがきまくって、その中で救ってくれる人を探すのは私自身も大変でしたが、見返りを求めずに救ってくれる人と出会えるまであきらめずに探す事で見つかると思っています。
ただ、全ての願いが叶うと今度は私のように抜け殻のような生活が待っている可能性もあります。
でも、自分の力で本当の幸せとは何か?という事に気づくためには、一旦、全ての夢叶えた上で、抜け殻のようになることも必要なのかもしれない。
と、思っています。
今が、立ち上がるべき時なのかもしれません。
皆さんの幸せを祈っています。
読んでいただき、ありがとうございます。